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「で、本題だ。これがどんなことに使われているのか」
「指示棒がわりに使うのは身近だろ。スクリーンを指したり、さっきイズミも星のことを教えてくれた」
イズミはもぞもぞと照れたように黙っている。
僕は落書き帳に新しい絵を描く。壁の前に三脚を置き、壁には十字が映っている。
「床に置いたやつからこう、壁に向けて…こういう線を映すのもある。これは床に対して水平、垂直だ。壁に何かを取り付けるとき、例えば額やポスターとか、」
「頑張れば真っ直ぐ貼れないですか?」
「そうか?例えばめちゃ大きい…高さ五メートル幅二〇メートルの壁のど真ん中に、一辺が一メートルの正方形を床と平行に描け、とか言われたらどうよ」
「そんな怪しい仕事やだあ」
僕は、彼女がマグロと言った絵を指して話を続ける。
「そのほか、例えばここのスポットの大きさを測れば、光の拡散率から逆算して照射元から照射先の距離が分かる。レーザー測量器という」
「天才か!それ考えた人ヤバ」
「強力で指向性が高い光って使い方いろいろらしいよ。知らんけど」
「出た。知ってるくせに”知らんけど”!」
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