第壱話 新婚

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「ヒエェ!」 僕が判決を下すと、ほとんどの亡者はいやな悲鳴をあげる。 「いやだ!地獄なんてやだ!」 職員が叫ぶ亡者を連れて行った。 「大王、休憩にしますか」 僕はカバンの中から弁当を出そうとしたとき、弁当がないことが分かった。 「べ、弁当が…な、ない!」 僕は唖然とした。 「どうしよう…弁当がなかったら…」 僕は帰ったときのことを想像した。 僕は正座して、妻が立って怒ってるところを見た。 『アンタ…分かるように置いたのに…なんで忘れたのよ!』 『アー!ごめんなさいー!』 僕は妻にムチで叩かれる想像を見た。 「大王!大王!」 「は!なんだい?」 僕はさっきの想像はなかったかのように、職員に話した。 「新しく職員を応募するのはどうでしょうか。」 「どこか足りないのかい?」 「はい。最近解雇になる職員も多くなりまして…あと、もうそろそろ終わりにしますか。」 「そうだね、続けようか」 僕はまた亡者に判決を下した。
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