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「怒るの通り越して、呆れてるんだよ…。でも、なんて言うか。あの時はマジで腹立った。そんでもって、ずっと考えてみたんだよ。お前が、本当は私のこと好きだったとか抜かすから、考えないと失礼じゃないかって思って…」
「あ、はい」
北斗が急に姿勢を正した。ボサボサ頭じゃなきゃ、イケメンな面してるのに。こいつはいつも何かが足りない。ま、それは置いておいて…。
「来年のクリスマスに仕切り直そう」
爪先を見つめながらやっと言えたのに、しんと静まり返る。そろりそろりと顔を上げると、北斗が驚いた顔をしていた。
「ばばばっばば…、馬鹿! なんか言えよ! 私に恥をかかすんじゃねぇぞ!」
「わぁ……、ユキが真っ赤」
北斗が身を屈めて顔を近付けてくる。後ろに逃げようとしたら、マフラーを掴まれた。
「…ユキ。どう解釈したら良いのか全然わかんないんだ。悪いんだけど、もっとスマートに言ってくれない? 俺、バカだから…」
「う、うるさい! お前が失恋のどさくさ紛れにあんなこと言うからだろ! 時間が必要だって言ってんだよ! それ以上言わせんな! バカ!」
「へぇ……。時間が……そんなの、要る?」
「要る!!」
なんで私ばかりが焦ってるんだ。こんなの、無理だ!
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