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まさか、愚痴じゃなく報告が来るとは思わなかった。何と言えば良いのかわからずに、甘酒を啜ると下唇を火傷してしまう。あちちち言っていると、北斗が冷たい視線で突き刺してくる。
「真面目に聞いてよ」
「話聞いて欲しいんならさ、最初に言ってくれない? こういうの、本当に慣れてないからさ。あたし」
マグカップヌードルをフォークで啜ると、それだけでもう海外に居る気分になれるから、お得だ。前からよくこうして、一個のカップ麺を二人ではんぶんこしたなぁ、なんてことを呟くと、業を煮やした北斗がマシンガンのように喋り出す。
「何が起きたのか? そんなの、俺が一番知りたいんだけど!」
トナカイ風に鼻っ面真っ赤になった北斗が、某ダンスグループの一員みたいにチャラチャラした服装をつまみ上げる。
「ミカちゃんがああしてこうしてって言うから、言われた通りにお洒落してきたのにさ! バイトして、デートして、欲しいって言ってたネックレスとかアンクレットとかも買ってあげて、クリスマスプレゼントはペアリングが良いって言うから、俺バイト増やして必死に働いてきたんだよ! なのに今日、突然手のひら返したように、なんか違うんだよねって…。どこがどう変なのか教えてもくれないで、男友達に迎えに来させてさ。そういうわけだからって、捨て台詞残して行ってしまわれた…」
行ってしまわれたって、意味がわかんないんだけど。マジ凹みしている北斗の項垂れたつむじを見つめながら、適当な言葉を探す。
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