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「いやいや雉ちゃん、これがいいんだって。今回の読者は中学生だから、ちょっと難しい漢字いっぱい出るくらいの方が嬉しいのよ」
「ほんとかなぁ。まあわたしは役柄気に入ってるからいいけどさぁ」
「いやほんと雉ちゃんこの役ピッタリだよね。月明かりを背に大空を飛ぶ妖艶な美女とか、もうローティンの男の子を鷲掴み!」
「雉だけどね!」
「「わはははは」」
「んじゃおつかれさまー」
一通り笑い仕切ると、雉ちゃんはスタジオを出て行った。
あの子のプライベートは誰も知らない。その辺りもミステリアスな魅力を醸していると思う。
「あっ温羅さん温羅さん、お疲れさまっす!あんな煙の中で燻されながら笑うの大変ですよね」
「いやー、もう慣れたよ。さすがに鬼の大将が煙ごときで音を上げるわけにはいかないからねえ」
「さすがですねぇ」
「吉備っちゃんこそ弓の腕どんどん上がってるじゃん。昔は疾風止まりだったのが今回はなに?迅雷?1本目止めるのもヒヤヒヤだったもん。まじで弓だけでぶっ殺されるかと思った」
「あざっす!いやあさすがに大将首とろうってのに適当かましてらんないっすからねえ。今回も思いっきりぶっ殺させてもらうんで、この後もよろしくお願いします!ででで、この後どうすか一杯」
「いやぁお誘いありがたいけどさぁ、おじさんもう吉備っちゃんみたいに若くないからさぁ」
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