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猿森君は、三臣チームの中でもっとも普通の子だ。
気配りが上手で、誰に対してもそっけない犬飼君のフォローをしたり、気分屋の雉ちゃんを盛り上げたり、ムードメーカー役を買って出ている。犬飼君も唯一猿森君にだけは心を開いているようだ。僕も彼の存在に助けられた場面は枚挙にいとまがない。
「お疲れさまです。今回は犬飼君ちょっと燃えてたんで、不完全燃焼っぽいんですよね」
「犬飼君がねえ」
「ホントですよ?この後首だけになった温羅さんが暴れるシーンあるじゃないですか。あそこで新技で黙らせてやるんだって特訓なんかしちゃってたんですよ」
「へええ、最近どっかいってるなと思ったら、そんなことしてたんだ」
「だからどっかで発散したいと思うんで、この後付き合ってきます。あ、今の話オフレコってことで」
「あ、ちょいまち」
巾着の中から小判を三枚渡す。
「いやこれ」
「いーからいーから。猿森君にはいつも助けられてるし。2人で精気養ってきて。犬飼君には俺から貰ったって言わなくていいから」
「そんなわけにも」
「ままま、楽しんできて。次回はいきなりクライマックスだと思うからさ。士気を上げとかないとね」
「…すんません。ご馳走様です」
「おつかれ!」
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