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読者側が「あれ、気づかなかったけどこの衣装やばくね?」と思うように、読み直すごとに徐々に徐々に布面積を減らしていった。いまや彼女は空飛ぶビキニだ。自分で言うのもなんだけど、よく嫌な顔ひとつしないで着てくれてるなあと思う。
余りに従順にやってくれるので、ついでに僕とのラブロマンスを混ぜ込んでのてこ入れ兼役得を狙ってもみたけれど
「イ☆ヤ」
と快活な笑顔で却下された。
でも最後の手段としてアリだと思う。
その分、温羅さん夫妻には際どい描写を頑張ってもらった。
踏鞴場で生贄を鉄の溶鉱炉に投げ入れながら鮮血(血糊)に塗れた姿で繰り広げられた、煮え滾る鉄の輝きと真紅が織り成す濡れ場は頼んだ自分が天才かと思えるほど蠱惑的なシーンになった。温羅さんより阿曽姫さんの方がノリノリだったのが、また凄惨さに拍車をかけた。
ひょっとしたら性癖歪めちゃうんじゃないかと心配になるけど、それならそれで何べんも読んでくれるようになるだろう。
あとで温羅さんから、「あのシーンやってから奥さんの機嫌が良くてさあ」と感謝された。
これから僕は温羅さんぶっ殺してその首を阿曽姫さんに突きつけるまでやるんだけど、機嫌悪くなっちゃうんじゃないかなあ。大丈夫かなあ。
それにしても結構迫力あるシーンを演じたつもりだったけど、まさか寝落ちされるとは思わなかったなあ。自信なくすよまじで。
もっとなんかやんなきゃ駄目なのかなあ。
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