9(R18)

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   抱かれてはいない。けれどあの状況を目にすれば瞬時に何があったかは察するはずだ。こんな尋問みたいなマネしなくたっていいのに。 「クスリのせいです」 「そうだな」  久慈は視線を合わせず煙草に火をつけた。ベッドの脇で腕を組んだまま、煙草を深く吸い、長く煙を吐く。 「水倉さんのこと、あのままで良かったんですか」 「良いも何も。ここで何もできないだろ。もともとは劉の親父に会いにきたんだ。何を心配している?」 「後で、何か大変なことになるんじゃないかなって……」 「あの男は別件の重要参考人なんだ。刑事部に持っていかれるわけにいかないから、牽制だけした。今は泳がせておくしかない」  胸の奥で、もやもやが燻っている。彼が今後どのような行動に出るのか。一抹の不安が影を落とす。  久慈は、吸い始めの煙草を灰皿に押し込んだ。
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