86人が本棚に入れています
本棚に追加
湿った唇が押し付けられる。男の肘が肩の上に入り、逃げられない。
キスされている。
そう思った瞬間、頭の中が真っ白になった。
油断した隙に、熱い舌が唇の隙間から強引に入ってくる。歯列を舐め、互いの舌先がざらりと重なりあう。
「……っ」
頭が焼けそうだ。気付けば腰をしっかり抱き留められ、肘を壁に抑えつけられ退路を断たれる。
「……ぁ、や、だ」
「何が「イヤ」だ。水倉には何度もキスさせてるんだろ」
脳から思考力が奪われる。
男とキスするのは、初めてだ。
舌が口を愛撫する。息が苦しい。粘膜を執拗に擦られ、じんわりとした熱が口から下肢へとゆるやかに落ちていく。
「ん……っ」
最初のコメントを投稿しよう!