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口腔の内側を執拗に嬲られ、体の中心、陰茎に熱が集中していくのが分かる。俺の反応に気を良くしたのか、長い脚が両脚の隙間に入ってきた。
「……はっ」
脚の付け根の性器を布越しに刺激され、全身に痙攣のようなものが走る。
窒息しそうなほど口を吸われ、性器をまさぐられると、脳内に膜が張られたように理性が働かなくなる。
何も考えられない――。
「はぁ……」
唇を離した瞬間、膝の力が入らず崩れ落ちそうになったが、脇に腕をいれられ支えられた。
「わりと上手じゃないか」
「うる、さいな」
声が掠れてしまう。反応しているのがバレたかもしれない。顔が上げられない。
「水倉はキスが下手か」
「……っ。そんな、彼とキスなんか、するわけないでしょう」
男の頬にめがけて振った右手は、空を舞った。息だけが上がる。人を小馬鹿にしたようなその頬を、思い切り引っ叩いてやりたかったのに。
「愛人だろ?」
「違うって言ってるだろっ。男とキスなんて、はじめてで……っ」
男は一瞬虚を突かれた顔になった。
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