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 俺は男に掴まれた腕を振り払った。 「離せよっ!」  するともう片方の手で襟元を掴まれ、足元がふらつき胸に倒れかかる。その瞬間、手首を拘束された。 「何、するっ」 「少しは大人の世界を見て、交渉する術を身につけないとな」  精一杯の抵抗も、簡単に抑えつけられてしまう。見上げた瞬間、再びキスをされた。  獰猛なキス。口の中を蹂躙し支配する男の舌に翻弄される。噛み切ってやりたいのに、男の腕の中にいると全身から力が抜けてしまう。 「ん――っ」 互いの唾液を飲み、ねっとりと粘膜を擦られる。 「……ぁ……」  男の胸の中で、喉の奥まで犯される感覚に、唇が離れてもうまく力が入らない。下肢が再び熱くなっていく。
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