86人が本棚に入れています
本棚に追加
頭は冴えてきたが、身体の奥はじんじんと疼いていた。ジェルが垂らされた腰は、溶けてしまいそうなほど熱を持ったままだ。少し話しただけで、息が乱れ、言葉がとぎれとぎれになる。
「身体はどうだ?」
体内に燻る快感を開放したい。高熱を出したときのような節々の痛みとともに、下半身が疼いて仕方ない。
「変、です……」
「考えられるのはラッシュと媚薬、あと恐らく興奮剤だ。そのうち効果もきれるだろうが。とりあえず辛抱するしかないな」
ペットボトルを二本手渡されたが、どちらも受け取れず、シーツの上に転がった。見兼ねた久蓋がそれらを広い、開けて手渡してくれる。
「水倉はマリファナのルートを握っている。気に入ったヤツを薬漬けにして男の味を教える。特に若いヤツ相手にな。タチが悪い。ラッシュで運が良かったな」
俄には信じられない話だ、自分が経験していなければ。
「水倉に抱かれたのか」
「……え?」
まっすぐな視線を見返すことができない。俺は返答につまった。作り笑いを浮かべるが恐らく効果はない。
「いいえ……」
どこまでが体を許したことになるんだろう。
「随分気持ちよさそうだった」
そう言われて唇を噛む。
最初のコメントを投稿しよう!