ふたりの想い

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「ご注文は以上ですか?」 ファミレス特有のお決まりのセリフを言う店員に対して「はい」とだけ告げると、店員は電子注文機にピコピコ入力し、夕方で忙しく別のテーブルに呼ばれたのか、そそくさとこの場から離れていった。 俺は天宮アンリと下校し約束通りDXハンバーグを奢って貰うためファミレスに来ていた。 今日初対面である女子と二人っきりでファミレスに来てしまうとは何より思いがけない展開である。 この後どうすればいいのか分からず、ドリンクバーで選んだコーラを飲みほし、今では氷だけの状態になったコップにストローでひたすらすすり続けていた。 ジューーーー 「ねぇ、叶君? えっと、友也君て呼んでもいい? 悪いね~今日はなんか強引にさそっちゃって…」 天宮はこういう状況に慣れているのか、あまり緊張する様子もなかったが、本当に悪いと思っているらしく申し訳なさそうに眉をひそめていた。 思ったよりマトモな人種である事に安堵すると 「いや、別にいーよ ハンバーグ奢って貰えるし…」 と視線を机のメニューに向けたまま素っ気ない態度をとってしまい、気まずくなった。 本音は急に下の名前で呼ばれた事に慣れていないので、一気に体温が急上昇しているのが悟られないか心配だったのだ。 「ねぇ? 友也君てさ なんかみんなと違うよね~ 何て言うか、独特のオーラ持っててさぁ 私そういうの敏感に感じるんだよねー」 「そうなの? へー、わかんねーなー どーなんだろ」 「ズバリ友也君てさ、友達あんまりいないでしょ??」 「……まー 多くないっていうか、あまりいないのは確かだな…」 天宮アンリは思った事を口に出す性格だろうと予想はしていたが、触れられたくないテーマに困惑してしまう。 悪気がないのが逆に複雑な気分にさせた。
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