ふたりの想い

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なんだかいつもの天宮に戻った事で安堵し、コロコロ表情が変わって面白いなぁなどと思った。 俺たちはその後もたわいのない会話をしてファミレスを出たのは2時間後の19時だった。 天宮アンリの家は俺の近所にあることがわかった。 なのでそこまで一緒に帰る事になったのだ。 長い時間話していたので、いつの間にか抵抗なく絡む事が出来ている自分に驚いたが、これは天宮の遠慮のない性格に影響するものだと理解していた。 本来は絶対ここまで女子と打ち解ける事はない、何故なら俺はコミショよりのそこそこのイケメンだからだ。 自分でいうのも照れるが、街に出れば女子に声をかけられる事は何度かあった、だけども自分の元々の性格が災いして素っ気ない態度をとってしまい、その場で終わってしまうのだった。 クラスにいる女子も最初はよく話しかけてくれたのだが、この独特のオーラを感じとると一人、また一人と離れていく始末だった。 男子生徒の何人かとはsnsアプリなどでやり取りしているが、大した趣味がない俺とは盛り上がりに欠けると判断され、個別で繋がっているのは唯一の友達と呼べるであろう(宮武 駿)だけだった。 駿とは高校1年の時に出会い今も同じクラスにいる。 性格はチャラいが根は良い奴で良く相談にのって貰ったりしている。 そう言えばもう一人、俺にも貴重な女子の友達がいて中学校2年の時一緒だった(神崎すみれ)も同じクラスであり、snsで繋がっている。 俺にとって友達と呼べる存在はこの二人位なものだった。 二人になら気を使うことなく何でも話せるが、そうなるまではある期間が必要だった。 ところが、天宮アンリは初日で独特のオーラの壁をぶち壊してきた。 人生でこんなに打ち解けられる奴は滅多にいないはずだ。 気付くと俺も天宮を下の名前で読んでいた位だ。
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