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「聞いとらん?芙美花から」
と少し首を傾げ聞いてきた。
「はい、何も」
と答えるか答えないかという時、
お母さんは僕の言葉にかぶせるように
「うちと御宅じゃ家柄が違うけん。新山さんと芙美花が結婚したって芙美花は幸せになれんとです」
「結婚しても苦労するだけとよ。親としてはそがな家に嫁がせるわけにはいかんとです。悪かけど…」
「もう来んでください。芙美花をそっとしとってくれんですか?お願いします」
と頭を下げられ僕は一言も返すことなく家を出た。
家柄?って何!?
ロミオとジュリエットじゃねえって!
なんでや!
なんでーーーー!!!???
僕の頭の中は蜂の巣をつついたような『なんで』の嵐の中に叩き込まれた。
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