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優香との別れの傷は
多分20年近く燻り続けていた。
何年かに一度くらいの割合で
優香が夢に出てくる。
それだけ優香は僕にとって
なくてはならない存在だった。
しかし一旦別れた男は女にとってはただの『過去の遺物』でしかなく、彼女にとっても同じだったのだろう。
彼女の中で『僕』という人間は
ただの『不要物』であって、
彼女の中に存在すらしないはず。
そんなことは百も承知。
それでも男という生き物は手のつけられない生き物。
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