潮村芙美花との再会

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1時間近く話しただろうか。彼女が出るのと同時に僕も店を出て彼女を車で送る。 「歩き?」 「はい」 「送っていくよ」 「ありがとうございます。良かったあ。今日はなんか疲れてて」 とニコニコと微笑(ほほえ)む。       その度にできるあの笑窪に    僕の心はキュンと小さく声をたてる。 国道を走りながら取り()めもない会話をする。時間にして10分くらいだろう。 その間、彼女をデートに誘おうと考えていた。彼女の家の近くで車を停めると意を決して彼女を海に誘ってみた。 「来週から学校始まるんだったら、今週の日曜日、あの『野北』に行かん?」と。 『野北』とはーーーー 48ac4819-3dce-4542-902e-5e69fdfe25bd 福岡県の糸島(いとしま)半島にある多分『二見(ふたみ)(うら)』という海水浴場の近くにあった僕たちの吹奏楽部が探し出した秘境(ひきょう)のような海のこと。それまでずっと恒例になっていたキャンプの場所。
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