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        女性の(いさぎよ)さ        男の未練(みれん)がましさ。     それはどこから来るのだろう? たまにふとそんなことを思うことがある。 多分それは太古(たいこ)の昔に遺伝子(いでんし)の中に       インプットされた人間の、     男性と女性を区別するための      識別(しきべつ)記号のようなものかも知れない。     女性は別れた男のことは   きっぱりと『過去の遺物(いぶつ)』          として割り切れる。 受精できずに無駄に終わった卵子を血液と一緒に排泄(はいせつ)するように『過去の遺物』になって押し出されるのだ。   男は別れた女を   いつまでも『過去の宝物』として…   自分のことがそれでも好きなのだと 大いなる勘違いをする。    そして女性に(けむ)たがられる。 ーー僕もそんな煙たがられる『男』の一人だった。
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