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すると彼女がまた僕を驚かせた。
「なんで?」
と僕の顔を見上げながら尋ねてきた。
「ん…わからん。フラれたから」
と手を繋いだまま
俺が波打ち際にしゃがむと
彼女もしゃがんで傍にあった小さなピンク色の貝殻を右手で転がして遊ぶ。
「ふーん。あんな仲良かったとに」
と彼女が言ったきり
沈黙と海風だけが
二人とその場を支配した。
彼女の言葉からどれくらい経っただろうか。
僕の中では1時間にも感じた時間だった。それから彼女がまた驚くことを話し始めた、
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