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あろうことかその最中、
名前を呼び間違えるたのだ。
付き合い始めて日が浅かったこともあるが、
キスしながら『優香』と口から出ていた。
そんなことは言い訳になどなるはずもなく
それまで熱く燃え上がっていたはずの二人の心を
真冬のような北風が吹き付けた気がした。
彼女は黙って身体を離すと
ベッドから出て傍にあった
ソファにもたれかかる。
僕は枕に顔を伏せたまま固まってしまっていた。
こうなることは当たり前。
誰が考えても、
誰に聞いても僕が悪いのは明々白々。
「ごめん、今日は帰って」と彼女は
ただ一言、凍りついた言葉を落とした。
僕を見ることもなくーーーーそう言った。
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