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第一章 双子の女神と弟の神
かつてこの世には永劫の海が広がり、そこには卵が一つ揺られて浮かんでいた。
他には何もなく、ただ長い長い静寂と永遠の黄昏が永劫の海を支配していた。
ある時卵は割れて、光と雲と雨と虹と共に二柱の女神と、一柱の男神が現れた。
これが“Qa・t”女神と“Barr・t”女神、そして名の秘された男神である。
双子の女神は雲を、雨を、虹を支配できた。
しかし卵の殻に揺られる三柱の神の他には、動くものはなかった。
女神たちが悲しみを覚えたとき、弟たる男神が告げた。
「命がないなら、命を創ればよいのです」と。
これを聞き、“Qa・t”女神は雨を手に取り、“Barr・t”女神は雲を手に取った。
そこに女神たちは己の血を注いで命を創った。
“Qa・t”女神の創った命は水に住むものに、“Barr・t”女神の創った命は空を舞うものとなり、女神たちは虹によって命を祝福した。
こうして海と空は命に満ち、女神たちは喜びを覚えた。
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