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「なぁ……里央。昨日から、おちびちゃん変だよな?」
「そうなのよ。昨日から、仏壇の前で1人で喋ってるの」
「どうしたんだろう?納骨が済んで、純の死が理解できるようになったのかな?寂しいのかも……」
「うん……。私も昨日から気になっちゃって……」
「俺がおちびちゃんの話をできるだけ聞くようにするよ。精神的なものなら、何とかしないと……」
「うん……。お願いね」
「おちびちゃん、こっちにおいでよ。絵本を読んであげるから。どの絵本にする?やっぱり白雪姫かシンデレラかな?」
「えほんはいらない。パパがいるもん」
渚は俺を見てニッと笑った。
俺も渚を見てニッと笑った。
『渚はパパがいればいいもんな。祐士なんていらないよな』
俺は渚の頭を『良い子良い子』と撫で回す。
渚はちくわの頭を「いいこいいこ」と撫で回した。
「な、なんで……ここにパパがいるんだよ」
祐士が怖々と渚に聞いた。
「きて、きて、ゆうじおにいちゃん」
「えっ……!?い、い、嫌だよ」
祐士の腰は引け、完全に怯えている。
『こいよ!祐士!なにビビッてんだよ!』
俺は笑いが止まらない。
こいつ……、すげぇ怖がってんぞ!
『渚、祐士をここに連れて来い!』
おもしろ半分に、渚に命令する。
渚はスクッと立ち上がり、パタパタと祐士の元に走ると、祐士の手を取りぐいぐい引っ張った。
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