【3】パパ、ユーレイなの?

8/9
112人が本棚に入れています
本棚に追加
/151ページ
「ゆうじおにいちゃん、パパがつれてこいって」 「えぇー……!?な、何言ってんだよ!昨日からさ、おちびちゃん本当に変だよ?パパはね、もうお空のお星様になったんだよ」  ていうか、星になってねーし。  子供に嘘を教えてんじゃねーよ。 「パパ、ゆうじおにいちゃんがいやだって」  渚が俺の方を向き、両手でバツを作った。 『仕方ねぇな…』 「しかたねぇな…」  渚が俺の口調を真似てニッと笑う。  祐士が慌てて里央に声をかけた。 「なっ、なっ、渚に、純が取り憑いてないか?」 「はぁ……?取り憑くって……?」 「だってさ、昨日から変だよ。絶対に変だよ」 「確かに変だけど。取り憑くって、そんな言い方やめてよ。純は渚の父親なんだから」  里央が祐士に怒鳴った。  祐士は里央に怒鳴られ、ペコペコと頭を下げ「ごめん、悪気はなかったんだ」と、ひたすら謝っている。  まるで、張り子の虎みたいだ。 『そうだ!そうだ! 取り憑くって、人を幽霊みたいに!あれ?俺?幽霊だっけ?』 「パパ……ユーレイって、なあに?」  渚が首を傾げ、つぶらな瞳を向けた。 『んっ……と、もう死んでるって意味だよ』 「ふーん。パパ、ユーレイなの?」 『ん……らしいな……』
/151ページ

最初のコメントを投稿しよう!