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プロローグ
魔女は問う。
「なぜ、私は生きていると思う?」
青く澄んだ瞳に儚げな影が宿る。
涼しい夜風が彼女の背中まである、真っ白な髪をなびかせ、月明かりを反射する。
付き人は答える。
彼女の前に跪きながら。
黒曜石のように、艶と深みのある瞳は彼女を真っ直ぐ見つめている。
優しい口元に、微かな笑みの色が見えた。
「私にとって貴女は、必要な存在だからです」
そして、そっと魔女の手に口付ける。
それは、彼にとっては“儀式”であり、“誓い”でもあった。
「私が、貴女の力になります。たとえ何があっても.....」
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