第1章 揺れて…。

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『2年1組一瀬凪さん、数学準備室に来るように』休み時間のザワザワに紛れない大音量で校内放送が流れた。 「凪、呼ばれてるよ。何やったの?」友達の優香にきかれたけど、心辺りがあるよいな…無いような…「首かしげてないで、早く行った方がいいよ 数学準備室。」 なんだか…やな予感がするな~。高杉先生、爽やかでイケメンなんだけど、怒らせると恐いらしいんだよね。 「失礼します。」そろりそろりと戸を開けた。 「一瀬、何で呼ばれたか 分かる?」相変わらず爽やか!そしてイケメン!でも呼び出されてる今は、それすらも不安材料だよ。 「…数学のテスト 悪かったとか…ですかね?」おそるおそる聞いてみた。 「悪かったっていうレベルじゃない。しかも教科書126ページの問題2つは、暗記するぐらいやれって言ったよな?なんで出来てないの?数字もそのまま出したのに。数学苦手な人へのサービス問題だったんだよ。むしろお前向けだぞ!ちなみに、他のみんなは出来てたよ お前、なんかあったのか?」 「実は…早く覚えても忘れちゃうと思って。でも前日に教科書忘れちゃったんです。」 「バカ!!何やってるんだよ!! 一瀬、他の教科は 結構いいのに、もったいないよ。」 「でも数学苦手で…全然仲良くなれないんです。公式もサインコサインタンジェントも」 「…」 「…」 「しばらく月水金で、放課後 補習だな」 補助!ヤダよぅ。でもそんな事言える立場じゃない…。
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