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「それじゃあ、行きましょうか。メルも日が暮れるころにはどこかに腰を落ち着けるだろうから、見つけやすいと思うわ」
「ああ。助かるよ」
「じゃあまたね。お兄ちゃん!」
「ああ、気をつけてな」
ダディズリーは大きな腕を振りました。
「ありがとう。ダディズリー」
「おう。妹にちょっかい出すんじゃねえぞ?」
「出さないよ!」
ダディズリーに見送られながら、クゥとわきは歩き出しました。わきはいよいよユニコーンに会えるのだと期待に胸が高鳴りましたが、同時に不安もありました。
ただ夢を叶えたくてやって来ただけなのに、気付かないうちに『何か大きな流れ』のようなものにのみ込まれているんじゃないか。
わきはそんな気がしてなりませんでした。
遠く雲の海に太陽が沈んでいるのか、空を見上げれば、徐々に藍色に染まる空にはキラキラと星が輝いていました。
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