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最後に満開の桜を見たのは何年前のことだろうか。
今年はお花見に行こうね、という約束を今年も守れなかった。この時期のシフトはどうしても休みを入れにくい。日本人たるもの考えることは皆同じなのだろう――「どこどこの桜は見事だったわ」と話す同僚に相槌を打ちながら、私は今年も申し訳程度のお土産を受け取る。
年に一度だけ咲く花を、ただ愛でるということ。
そういうひとつひとつの積み重ねが、人に豊かな感情を育ませるのではないかと思う。
様々なものを見て、感じて、味わう。新たな世界を知ることは刺激になる。人はそうして経験をし、知識を得ることで成長するのではないのだろうか。
そんな思いがあるからこそ、また今年もひとつ私の心に罪悪感が降り積もる。
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