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「確かにこのダンジョンに元からいるモンスターはダンジョンの外には出られないわ、ただし、このダンジョンに入り込んで犠牲になった連中を媒体にしたモンスターならダンジョンの外に出る事は可能よ、今の状況だとここに来て殺された連中の骨を媒体に作製したスケルトン60体と連中がダンジョンに放った魔狼15匹がダンジョンの外に出られるわ、それに、今ダンジョンを進撃中の連中を媒体にしたスケルトンもね」
「約70体のスケルトンに魔狼15匹、ですか、それなりの戦力とは思いますが陣営を襲うには圧倒的に数が足りないのではないでしょうか?」
アイリスの説明を聞いていたライナは微かに眉を潜めさせながら問いかけ、アイリスは頷く事で応じた後に更に言葉を続ける。
「連中の陣営にはおよそ1個大隊、7~800人位はいるわね、だから今の戦力じゃ焼け石に水って所ね、だから今の所は使い魔達に陣営の構造や捕まってる捕虜の居場所を調べて貰い、それに平行して森の中にいる戦力になりそうなモンスターを探させているわ、この森は餌も豊富で森の奥には結構戦力になりそうなモンスターが居そうだから良さげなモンスターがいたらテイムして襲撃に参加させるつもりよ」
「確かにこの森の奥って双頭の毒大蛇ポイズンサーペントや火蜥蜴(サラマンダー)みたいな大型モンスターが出てくる事があるので森の奥に行くのは騎士団や冒険者若しくはそれに準ずる者に限られてました」
アイリスの告げた方針を聞いていたリーナは納得した様に頷きながら呟き、アイリスはそれを聞き終えた後に視線を進撃するワンウッド傭兵隊へと戻した。
「そうと決まれば、使い魔達に調べさせた陣営の概略を実際の情報と擦り合わせる必要があるわね、下っ端参謀と小さな傭兵隊の隊長がどれだけ知っているか心許ないけど本隊から派遣されたんだから幾らかは知ってるでしょう、媒体にする前に知ってる情報を洗いざらい話して貰う必要があるわね」
アイリスは冷たい瞳で進撃するワンウッド傭兵隊を見ながら呟き、その後に彼等を迎撃する為の手筈を整え始めた。
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