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怒号を張り上げた隊長だったが傭兵達は表情を凍り付かせたまま動こうとせず、その無様な様子を目にした隊長は熱り立って彼等の所に駆け寄ろうとしたが脚はその意思に反して全く動こうとせず、隊長は戸惑いの表情を浮かべながら床に視線を落とした。
隊長が落とした視線の先には床板から浮かび上がり自分の両足をガッシリと掴む数体のスケルトンの腕と見上げる頭骨が存在しており、落ち窪んだ眼窩で隊長を捉えたスケルトンは嘲笑う様にカタカタと骨を鳴らした。
「……っく、こ、コイツ等いつの間にっ!?」
隊長は異様な光景に目を剥きながら周囲を見渡すと下級幕僚や傭兵達は全て床板から浮かび上がったスケルトン達の手によって両足をがっしりと掴まれており、その光景を目にした隊長は背筋に悪寒が走るのを感じながら慌てて命令を下した。
「……くっお前等何してるっ!!急いでコイツ等を倒せ、さもないととんでもな」
隊長が慌てて張り上げていた命令を遮る様に両脇の壁の岩板が突然崩れ落ちて大量の塵芥が舞い、舞う塵芥を突き抜けて姿を現したボーンウォーリアーの集団が身動きの取れないワンウッド傭兵隊に左右から襲いかかる。
ボーンウォーリアーは足を掴むスケルトンから逃れようともがく傭兵達に接近すると、捜索隊が使用していたとおぼしき剣や槍をその身体に突き刺し、傭兵達は血飛沫と断末魔の絶叫を迸らせながら無残な最期を遂げて行った。
何人かの傭兵は剣を振るって足を掴むスケルトンを粉砕した後に襲いかかるボーンウォーリアーを迎撃し様としたが逆にボーンウォーリアー達に取り囲まれれて膾に切り刻まれてしまい、傭兵達は阿鼻叫喚の渦の中で次々に骸を晒して行った。
隊長と下級幕僚は地獄絵図の光景の中、どうにか両足を掴むスケルトンを粉砕すると部下達を見捨ててダンジョンの出口へと逃げようとしたがその動きを制する様にボーンウルフと魔狼の混成集団が姿を現して退路を完全に遮断してしまい、恐怖の顔色を浮かべながら慌てて足を止めた2人目掛けて飛び掛かりその身体を強引にダンジョンの床へと押し倒してしまう。
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