朝、起きたら

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 ある日のことだ。朝になり、目を開いたら体が動かなくなっていた。  眠っていた時の体勢そのままで、指一本動かせなくなっていた。  …………は?  正直、状況に困惑した。ショッキングとか怖いとか言う前に、ただ茫然とした。  えっと、これ何?   金縛り? それとも何かの病気?  それとも、神さまの気まぐれ的な何か?  様々な可能性を考えてみたが、どれもしっくり来ない。    他の候補を絞り出しながら、改めて体に力を込めてみた。だが、どこも動く様子はない。  けれども、感覚だけはあった。今、俺はシーツを抱いた状態にある訳だが、そのシーツの感触も、触れ合った腕の温度も確り感じている。  それに。 「あーあー」  どうやら、声も出せるらしい。  本当に、体が全く動かないだけ。それだけ。  ……いや、これヤバイやつじゃね?  それだけだと自分を慰めようとしたのも空しく、今更怖さが溢れてきた。  いや、だって怖いじゃん。理由が分かるならまだしも、何も分からないんだよ。怖いじゃん。  もしかすると、突然変異とかが起こって死ぬかも……。    大学生男子、自宅で不審死――とのニュースを想像し、蒼褪める。  そこで、始めて焦りが湧いた。  これは、早急にどうにかしなければなるまい。うん。どうにかしなければ。    ――と言っても、一体どうすれば?
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