相対性理論における 青空もしくは時間 B

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文芸部は2名になってしまった・2年女子と新1年少年・つまり同好会への格下げである/ でも少年にはまだ教えてあげてない・私にとっては 学園祭までの最重要秘密厳守事項となった 放課後の部室兼古典準備室で・文芸部なのだから活動はする/ ネット小説という分野は 実をいうと私もよくよくはご存知ではない 「マンガの吹き出しに コトバを入れるだけなんだから・誰だってできるでしょう?」 『カメラを手にした眼鏡女子』とか 三行でも小説/ というのだから・平成時代でも取り残されていた私 にとって・次の新年号時代は成層圏の先 にあるような感じだ せっかくマンガの読み方を体得したのに・ナウの若者は 縦にスクロールさせて読むものになっているらしい 「あと 10分」 アインシュタインさんが賛成してくれるかは分からないが・時間は人それぞれにあって 長くも短くもなる・ものらしい/ 少年の近くの窓枠に座って・少年を観察してみる 「よく分からない」 「何という無理難題を」 と少年はつぶやくけど・聴こえないふりはしてあげている 「初めてにしては けっこう萌えるのね! ”眼鏡女子” がタイプなんだ」 使い慣れないコトバ の後・窓の外を見た/ ふと・入学式の日の成層圏もこんな感じだったかな と思う あの頃より青が遠くまで見えた空に・少しだけ期待をした
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