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一緒に食事を
たった数時間前に偶然『高野』くんと出会って、そのままアルバイト上がりの彼と食事をすることになった。この店『創作料理なずな』で。
誠二はこの店の常連でよく来ていた。友人ともよく来る店だ。
少し不愛想な店員は『高野』というネームプレートを付けていて、挨拶するくらいには顔見知りになったと思う。
とはいえ、彼のアルバイトが上がりだからと言って……店員と客が向かい合わせに座って食事をするという違和感は、どうしても拭えない。
一回り以上も年下の大学生。はたから見たらいったいどう見えるだろうか?
「なにか苦手な食材ありましたか?」
「いや、大丈夫」
問題は食材ではないんだ。何をどうしたら食事をし合う関係になるのか、誠二はどうしても納得いく答えが出せない。
「今日の食材も新鮮なので、きっとお好きだと思いますよ」
「…………」
確かにこの店の野菜は、契約農家から直送で安心かつ新鮮な野菜を提供してくれる。
実家暮らしをしていても、いろいろ訳ありで夕食くらいはのんびり外で食べるようにしている。そんな誠二には、ありがたい店だった。
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