はじまり

1/1
前へ
/11ページ
次へ

はじまり

「それなら、一緒に住んでもいいですか?」  目の前にいた高野という大学生に、いきなりそう切り出された。  サラダを食べようとしていた誠二は、箸を落とす。    そもそも、この居酒屋『なずな』でアルバイトをする大学生で、名前だって『高野』と書いてあるネームプレートで知った程度の間柄。  誠二は今言われたことが理解できずに、落とした箸の転がり落ちる音が聞こえた。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加