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桜の木にて
僕は桜の木に腰かける。
「何なんだあの女は」
「十時歩夢だけど」
「名前はわかるんだよ。でも考えが読めないって、いう、か」
「こんにちは、誠」
僕は驚いて大声を上げる
「な!?お前!ストーカーか!!?」
バサバサと近くにいた鳥が飛ぶ。
「私もお気に入りの場所に来ているだけだよ」
「昨日この場所を見つけたのによく言うな、少なくとも僕はここに五年来ている」
「私は十年だよ」
「嘘をつくな。僕はこの五年間誰もここに来なかったぞ」
「フフ」
僕は桜の枝を弄ぶ。
「何で君は僕に何かとつるんでくるんだ。いいか、これは忠告だ。僕とはこれ以上付き合わないほうがいい」
「なんで?」
「それは…そうしたほうがいいから」
僕は腰を上げ家に向かう。
「私はそうしたいから一緒にいるだけ」
「僕は忠告したからな」
なんだか今日はすごく疲れた。
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