馴れ初め

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当時、私は男性が多い職場という事もあり、それなりにモテて、チヤホヤされた青春時代を送っていた。 だから、当時から無口で冴えない男だった夫、純ちゃんは、私の眼中には、全く入っていなかった。 それが変わったのは、私が24歳の時。 その日、私は、2年間付き合ったイケメンの彼氏に振られ、大失恋をした。 ・:*:・:・:・:*:・ 「原田さん、大丈夫ですか?」 原田は、私の旧姓。 仕事中、向かいの席から、喜多見さんに小さな声で話し掛けられた。 喜多見さんは、普段から無口で、必要な事以外、ほとんど喋らない。 仕事以外で話し掛けられたのは、多分、これが初めてだった。 「何がですか?」 私がイライラしながら答えると、彼は 「いえ、なんだか辛そうに見えたので。俺でよければ、話を聞きますよ」 と心配そうな顔で言う。
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