【続編】 王子様とお姫様

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・:*:・:・:・:*:・ 純ちゃんがアイスを買ってきてくれた。 おやつによく食べるラクトアイスじゃなくて、違うショーケースに入ってる高級アイスクリーム。 夕食後に三種類のアイスを並べて、 「咲笑、どれがいい?」 と純ちゃんが私の顔を覗き込む。 「私、チョコの」 苑が先に答える。 すると、それを純ちゃんが制止する。 「ダメ! お母さんが先!」 「えー!?」 当然、苑は、不満顔だ。 なんで? 純ちゃん、他に好きな人がいるんでしょ? 浮気をごまかすため? バレてないと思ってるの? 私はストロベリー味を選んで、無言で食べた。 今、口を開いたら、泣いてしまいそうだから。 すると、純ちゃんは心配そうに私の顔を覗き込む。 「咲笑、どうした?  具合、悪い?  何かあった?」 ダメ。 他に好きな人がいるくせに、私に優しい言葉なんて掛けないで。 「苑!  アイス持って、2階へ行ってて」 純ちゃんが言った。 「はーい」 苑は素直に階段を上っていく。 その足音を聞いて、純ちゃんは、私の肩を抱いた。 「咲笑、どうした?」 私は無言で首を横に振った。 胸が苦しい。 純ちゃんが優しいから。 「咲笑? 言って?  言ってくれなきゃ、分かんないよ。  何があった?」 私は無言で首を横に振るしかできない。
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