第1話2

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母さん、もぅ~僕、疲れちゃったよ~」 そう言うと明人は坂の途中で座り込んだ。 僕、井上明人、今年6歳。 生まれて物心ついた時から、その光景しか記憶にない。 父さんが母さんを苛めてる所しか覚えてない。 母さんは何故泣かないのかな? あんなに父さんに叩かれて、何故泣かないのかなぁ? 母さんは父さんがお酒を飲みだすと僕を押し入れの中に入れて 「母さんが呼ぶまで出ちゃあダメよ」 とあめ玉を3個くれる。 そして僕は押し入れの隙間から父さんが母さんを苛めてるのを見ていた。 何で、父さんは、母さんを苛めるの? 僕は2個目の飴を口に入れる時は涙と鼻水が一緒になって飴玉の味なんか解らなくなっていた。 時々夢に見る、父さんと母さんと3人でご飯を食べてる夢だ。 母さんも父さんもニコニコと笑ってた。 母さんは夜中に僕を布団の中で抱きながら泣いてる 「うっ、うっ、うっ、」    と母さんのおっぱいの所がドキッ?ドキッ?と動くと母さんの首のトコから声が聞こえるんだ。 僕は寝たふりして母さんをダッコしてあげるの。 僕は大人に成ったら、父さんを苛めてやるんだ。 母さんを苛めるなって言って、父さんを苛めてやるんだ。 明人の場合・2へ続く?
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