第1話2

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「母さんっ大丈夫」 母さんの顔を覗くと赤い血が額を伝い鼻の所まで流れてた。父さんが心配そうな顔をして明人の側に来て母さんを覗き込んだ。 「すまない・・・大丈夫か?」 「父さんなんか母さんに近づくな!」 そう言うと僕は体一杯の力を出して、父さんの体を押した。酔ってた父さんの体が簡単に転がった 「明人、母さんは大丈夫だからティッシュ取ってきてくれる」 母さんが額を押さえながら言った。今、母さんの側を離れたくなかった。    けど母さんの頼みだからきかないと、血を拭かないと、ティッシュはテーブルの上だ。    直ぐだ、父さんを睨んで明人はティッシュを取りに行った。 何時も置いてる所にティッシュが無かった。 探したら部屋の片隅に落ちていた。取って振り向くと母さんが見えなかった。 父さんの大きな背中しか見えなかった。
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