第4章ー軟弱者は騎士たりえずー

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グレイがテントの区域に到着した頃には、レオナルドは既に王都へ帰還したとの事で、会う事は出来なかった。 しかし冒険者の一人が言伝てを授かっていて、「明日の午後にでも本部に寄ってくれ」との事だった。 グレイとニアはそこで一晩をあかし、早朝に王都へと帰還した。 昼前に帰り付くと、ケビンが搬送された病院で会う約束をして二人は別れた。 グレイは一度自宅である『ゲルマン魔導具店』へと戻り、着替えと昼食を済ませ酒場へと向かった。 目的は一つである。 酒場は昼時ともあってかなり賑わっていたが、カウンターの端の席が空いていたのでそこに座る。 すると、グレイに気が付いたレイナが近づいてくる。 「昨日は大変だったらしいね」 グレイはその一言で昨晩の事件であると理解する。 「もう知ってんの?狭い町だな」 カラカラと笑いながら返すグレイに、レイナは眉を寄せる。 「それよりも、大丈夫なの?怪我とかしてない?」 「問題ねぇよ。まぁ、心配してくれたんだな。サンキュ」 笑顔で言いながら、「んな事より、ホットミルクください」と真剣な表情で付け加える。 レイナは苦笑いしながら「はいはい」と返した。 しばらくしてレイナが注文の品をグレイへと持ってくる。 グレイは待ってましたと言わんばかりにそれを口にし、恍惚の表情を浮かべた。 未だにこれしか受け付けられないのである。 「しかし勿体ねぇよな。こんな美味いもの注文しねぇなんて」 言いながら周りを見るグレイにしかし、レイナは首を横に振った。 「たまに注文入るんだよ?興味本意だろうけど、それに、グレイ君みたいにいつも注文してくれるお客さんもいるし」 「そうなんだ」 「うん。いつも通りならそろそろ来ると思うけど」 言いかけた時、グレイの二つ隣のカウンター席に一人の少女が座った。
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