青空の下で

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 ひと月前も私を取り囲む環境は決して良いものではなかった。誰とも会話せず、居ても居なくても分からないような存在だった。  今は存在感はある。でも、それはおそらく腫れ物(・・・)お荷物(・・・)で、クラスを掻き乱すような、居てほしくない存在だ。 「凛ちゃん大丈夫? 顔色悪いで」 「平気。……ちょっと寝不足なだけ」  休み時間に一言だけ、心配そうに声を掛けてきた陽と会話した。  今の状態ではきっと楽しい会話はできない。教室内には昨日言い争ったクラスメイトの姿もある。  陽を巻き込んではいけない。そう思い、黙って自分の席に戻る。  陽は昨日散々なことを言われた私を庇ってくれた。でも私は――陽が酷いことを言われている時、同じように言い返せなかった。  自分のしていることが正しいのかすら分からなかった。でも、これだけは分かる。  今の私と関わることは陽にとってマイナスにしかならない。  授業が始まっても、内容は一切耳に入ってこなかった。  開いただけのノートの上に無造作に置いた写真を眺める。昨日、坂本先生から貰ったパネルの証拠写真だ。  あの時大人しく中止の指示に従えばよかったのだろうか。そうしていたらクラスがこんな風に険悪になることもなかったのかもしれない。
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