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決意
「なぁ……怒っとる?」
LHR終了後、早足で廊下を歩く私の横で、彼は恐る恐る口を開いた。
「うん」
返事を聞いて、陽がやってしまったと苦い表情を浮かべる。
「ごめん! 凛ちゃんの気持ちを無視して勝手に推薦して。でも、俺が推薦したのは、ほんまに凛ちゃんが適任やと思ったからやで? 凛ちゃんの描く絵が大きなパネルになるのを見たいと思ったからで……」
「そんなの、言われなくても分かってる」
陽が狼狽えて私を見る。
他に描ける人がいないからとか、私をクラスの輪に入れたいからとか、そんな理由ではなく、純粋な気持ちで陽が私の絵を推してくれたことは分かっていた。
最初に私の名前が出たときは冗談じゃないと思った。
ただただ面倒だと思った。体育祭までの間、放課後も土日もほぼ毎日のように拘束される。責任者なんて真っ平御免だと思った。だから適当に理由をつけて辞退しようと思った。でも――。
「怒ってるか怒ってないかで言ったら、そりゃ怒るよ。急に名前出されて、みんなの前であんな風に言われたらハードル上がるし。それに忙しくなるのはやっぱり嫌だし。でも……ちょっと嬉しかったから」
「え……?」
彼がこれでもかってくらい大きく目を見開く。
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