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「……ッ!?」
突然、頭の仲で光が何度も鳴った。本当に光ったのか、わからないくらい、現実感が一瞬だけ失われた。
そして、嘘のように脳内のまたたきは引いてしまい、普段通りの景色が視界に戻ってくる。
息を呑み、周囲を見回す。
見知った、学園の風景を。
各々の会話や部活などに熱中する、学友達の姿。
けれど、もうそこに、先ほどまでのような快活さはなかった。
あるのは……場を空気を乱した者に対する、軽蔑のような眼差し。
そして、彼らが向ける視線の先にあったのは――私、だった。
「これは……?」
今、私には眼の前景色が、さっきまでと違って見えていた。映るもの、人、場所、なにひとつ変わっていないというのに。
その感覚は、朝に起床するのと同じような、突然に目覚める感覚に似ていた。
――けれど、こうなってしまったことが、もう過ちなのだろうか?
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