終曲と序曲

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━━━ザッザッザッ 先程とは違う足音が耳へ入って俺を楽しませてくれる。 「はあぁぁ、んんんぅん、やっぱり雪を踏む音っていいよねぇ…」 雪を踏む音にうっとりとしていると目の前を白い何かが通り過ぎる。 ん?なんだ? 白い何かへ視線を向けるとそれは白い体毛に覆われた兎だった。 か、可愛い?!何あれ、ものすごく可愛い!うさぎってこんなに可愛かったっけ?とにかく触りたい!!……………心まで乙女になりかけてるじゃねぇか…。 ━━━サッサッサッ そんな事を考えていると兎が走ってきた方向からもう一つの足音が聞こえてくる。 その音に振り返るとそこには雪のような体毛に腕など丸々持っていかれそうな口、肉を引き裂くことのみを追求したような爪そして獲物を捉えた目をしたオオカミがいた。 「Gauuuuuuu!!」 この状態になって初めて気付いた事がある、それは━━━━ 「武器なんにも持ってないじゃんんんん!!」 いきなりの遭遇に武器を持ってないことも相まって速攻で踵を返し駆け出す。 しかしそれは相手からしたら襲ってくれと言っているのと同じでありその背中へ向けて引っ掻きや牙が飛んで来る。
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