第02章 僕の名は。

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「さっきの俺モドキ、本当の名前を知らなかっただろう?」 僕は会話を想い返していた。 「確かに。知りませんでしたね。 『本当の名前』という言葉自体、知らないようでした」 「そうだ。俺は勿論、自分の名前を覚えている。 自分の名前を知らない奴は要注意だ。そいつらは人間モドキだからな」 ゴクリ。 喉が鳴った。 噂には聞いていたが、ヤバい街に来てしまった。 良い意味のヤバいじゃなくて、本当にヤバい意味のヤバいだ。
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