第03章 マトリックス・シミュラークル 赤いドレスの女達

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第03章 マトリックス・シミュラークル 赤いドレスの女達

「このゲストハウスが、俺の住居兼事務所だ」 そう言われたものの、今時、アジアの貧困街でも見ないような建物だった。 こんな外観のゲストハウスだったら、 ハイパー南京虫、いやジャイアントトコジラミが大量に発生しててもおかしくない。 「良いから入れよ」 エントランスを抜ける。 受付ロボットがチェックイン手続きをする って思ってたのに、フロントには制服姿のおじさんとおばさんが居た。 いや、そんなはずはない。 精巧なアンドロイドだろう。 僕は、認証用に左目をあっかんべーするようにして、眼球を上に向ける。 勿論、左眼の埋込認証(エンベッド)コードを読み込ませるためだ。
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