番外編3

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その唇を開放した頃にはすっかり辻本の息は上がり、潤んだ瞳でジっと俺を見つめる。 「…なんで榛名くん、機嫌悪かったの?」 やっと甘い雰囲気が流れたかと思えば、ふいに問いかけられたそれに思わず「はぁ?」と眉が寄る。 「…本気で分かんないの?」 「うーん…やっぱりサンタコスが原因?」 「…分かってんなら聞かないでよ」 「でも、なんで?ちゃんと胸は隠したよ?」 「はぁ?胸さえ隠せば何出してもいいと思ってんの?」 「そういうわけじゃないけどっ!でもっ…!」 「…でも、なに」 低い声と冷たい視線で先を促す。 辻本はムっとした表情を浮かべながらも、気まずいのか視線を逸らしてからゆっくりと口を開いた。 「…榛名くんに可愛いって言ってもらいたかったんだもん」 「……」 「…なのに、一回も言ってくれないし」 「……」 「ねぇ、分かってる?今日クリスマスだよ?」 「…分かってるよ」 「年に一回なんだよ?今日しか希子サンタ見れないんだよ?碧くんだけの希子サンタだよ?」 「……」
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