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その日の夜。
ソウマは新O駅の近くにあるビジネスホテルの一室にいた。
「トンットンッ・・・トンットンッ・・・トンッ」
一風変わった間隔でドアがノックされた。
ソウマ「どちらから?」
ドアの外の者「栗より参った」
ソウマはドアを開けた。
入って来たのはソウマより幾分年上な感じの男性だった。
ソウマ「カンジ。今回のバディはあんたか」
ソウマに「カンジ」と呼ばれた男は「石原カンジ」と言う正規忍者10年目の者だ。
さきほど「栗より参った」と言ったのは 栗→いが→伊賀 の隠語である。
カンジ「明日は朝6時にロビーに来い。警護は8時からだが、場所は俺が知っている」
ソウマ「分かった」
カンジ「じゃー明日」
伊賀では年配の者に対しても敬語は使わない。敬語を使うのは棟梁に対してのみである。
翌朝6時。
ロビーでソウマが待っているとカンジが現れた。
カンジ「チェックアウトは済んでいるな」
ソウマが頷くと
カンジ「じゃー朝飯を食いながら今回の警護を説明する」
そう言ってカンジはこのホテルの1階にあるレストランにソウマと向かった。
朝食はバイキング式なのでそれぞれは好みの料理を取ってテーブルに着いた。
カンジ「O市長は登庁するため毎日8時に家を出る」
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