第1話 飛倶ス・降臨

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第1話 飛倶ス・降臨

このお話は「ソウマとハヤト」「シノの島」に続くものになっています。 もし上の2作品をご覧になっていない方はそちらを先にご覧になるとこれからのお話がより分かり易いと思います。 ここは伊賀の里にある、とあるワンルームマンションの一室。 服部ソウマの部屋である。 正式な忍者となったソウマは見習い時代を過ごした「さくら園」を出て、現在は一人暮らしをしている。 相棒のハヤトは自宅があるので現在は家族とそこで暮らしている。 今日は日曜日で非番なので、ソウマはベットで横になりながら、ハヤトにもらった鉱石ラジオのささやかな音をクリスタルイヤフォンで聞いていた。 今の時代、もっと便利なものがあるのにソウマは「電源がいらない」と言う理由でこれがお気に入りだった。 まだ早朝なのでソウマはカーテンも開けずになつかしの歌謡曲を聞いていた。 何気なしに部屋の南側にある窓のカーテンを見ているとカーテンが少し内側に動いた。 まるで何かが窓から部屋に入ってきたような感じだ。 ソウマははっとしてベッドから飛び起き、急いでカーテンを開けた。 窓は閉まっていた。 窓に手のひらを近づけても風を感じることは無い。 さっきのは何だったんだろう。     
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