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「お疲れ様でした」
真理乃はスタッフに挨拶をしながら、大き目のバッグを肩から提げ、通用口を出た。
少し坂になった駐車場の入り口を上ると道に停まった車に乗り込む。
「お疲れ様」
悠二は温かい缶コーヒーを渡した。
「ありがとう」
シートベルトを閉めながらそれを受け取ると真理乃は微笑んだ。
悠二はその笑顔を確認すると車を走らせた。
「今日の選曲は片桐さんだろ…」
真理乃は缶コーヒーをドリンクホルダーに置くと、悠二を見た。
「流石は悠二ね。もう何でもわかっちゃうのね」
車はウインカーを出して大通りに出る。
「マニアックなんだよ、片桐さんは」
「会った事も無い癖に」
真理乃は笑った。
そして一緒に悠二も笑う。
「腹減ったろ…」
「もうペコペコ…。差し入れがドリンクだけだったから」
真理乃は缶コーヒーを取る。
「今日は何」
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