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「真理乃ちゃん。おはよう」
スタジオ前でタクシーを降りると、スタッフが声をかけた。
「あ、おはようございます」
挨拶すると手帳を見る。
「今日の音楽、柴田淳なんだって。俺も好きなんだよ…。どうしたの、失恋でもしたの」
真理乃はそのスタッフに微笑むと、
「たまには悲哀ってモノを感じておかないと喜怒哀楽がおかしくなってしまう気がして」
そう言う。
「何だそりゃ…」
スタッフは声を出して笑った。
「まあ、今日も乗り切ろう」
スタッフは走って行った。
「真理乃。お疲れ様」
スタジオを歩く真理乃に並んでプロデューサーの片桐が歩く。
「もらった原稿、チェックOK。あれで組み立てて」
「はーい」
手帳に書き込みしながら歩く。
そして数人に挨拶しながら自分の控室に入る。
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